自分につけた値札が低すぎるとき、どう出るかだよな。もっと愛をくれ、寂しい、と外向きに矢印を向けることができる人もいるけど、自分は幸せになる資格がないだとか、相手に迷惑がかかってしまうと、内向きに矢印を向けるような人もいる。自己肯定感が低いときに、それがどう出るかは人によるんだよな。

例えば実力がまだあまりない人が、その筋の一流どころの中に放り込まれて仕事をしなきゃいけないとなったら、嬉しくなってしまう人もいるけど、辞退する人も多いと思うんだよな。前向きな気持ちが萎んでしまう。

だからまぁ彼が言っていることはそのまんま真実なんだろう。彼にも人並みの欲はあるから、前に進みたい気持ちもあるだろうけど、「到底無理だ」という気持ちのほうが勝ってしまう。自分のダメなところが晒されてしまうのもすごく怖いんだろうと思う。

「恋愛しないが最善のようにしか思えないんです」「こう言った人のパートナーはどう振る舞うことが良いのでしょうか？」

そうだな。「恋愛しない」も一つの手ではある。なかなか大変なのは間違いないからな。でもこういう人と付き合っていくとしたら・・・。

まぁ「励ます」というのは逆効果なんだよな。「自信をつけてあげる」ような言葉も逆効果で、例えば子供も小学生ぐらいになれば、君ならできるよとかって「こいつうまいこと言って乗せようとしてるな」と見透かしてしまうよな。好きだよとか、価値を注入するような言葉も、（彼は価値とか期待に見合わないと思ってためらっているわけだから）逆効果になってしまう。

でも「欲」はすんごくあるから。奥のほうに。前に進むエネルギーはあって、それは蓋がされている状態。だから、追い込んだり逆効果になるようなことをしなければ、なかなか消えたりしない。エサが欲しくて仕方のない、超臆病な猫とか鳩って、追い詰めれば逃げるけど、基本は「エサ欲しい」なわけだからな。追い詰めなければ逃げないだろう。

じゃあどうすりゃいいのかさっさと結論を言えよ、って感じだわな。

彼の力を抜いてやることだ。その方向が一番良い。「まぁそしたら付き合わなくていいし友達でもいいや。適当にちょいちょいかまって。笑　そんでデートしたり、ちょいちょいお出かけとか付き合って」みたいな。期待はしないから、たまには相手してやってくれよ、と。何も背負わせず接点を持ち続けるようにして、しかも彼が「してあげている」かのような形にする。それで曖昧な関係のままうだうだ行く。

彼は期待に応えるとかが苦手で、あれこれ背負うのも嫌で、自分という人間がダメだなぁと思い込んでいるわけだよな。だからそれをスタート地点にして、一緒に過ごしているうちに、君を笑顔にできているだとか、一通り過ごしてみて意外とやれるなとか、この人（君）には自分（彼）がいないとダメだなと感じるとか、そういう感触を掴んでもらう。自分が、言葉だけでなく、本当に必要とされていたり自分にできることがあると信じることができたら、一気に「欲」が噴き出してくると思うぞ。

まぁテクニック的に走るのも良くないんだが、罪悪感が強いタイプの人を攻略するときに、こちらがあえて弱ったり塞ぎ込んだり、相手に何か頼ったり尽してもらったりして、相手に「できることがある」と感じてもらうのは効くんだよな。居場所があると相手が自分自身で感じることが大事。

とまぁそんなとこだな。彼にどこまで長い目で見て取り組んでいくかは考えものだが・・・。

少しでも悩みが減らせますように。
そしてもう少し悩みのない恋愛ができますように。