相談No.2160

面白いやつという自分を演じていたら限界がきた

挿絵初めまして。**歳(二十代後半)男です。性格診断が面白かったので、最近入学してきました。相談させていただきたいです。とりとめなく長いですが。。

自分は昔から劣等感が強く、ネガティブな性格です。他人から笑われる事が怖く、コミュニケーションが苦手でしたが、中学生頃からお笑い芸人を参考に、「明るくて面白い奴」を演じるようになりました。例えば自虐で笑いを取ったり、イジられた時大げさに嘆いてみせたり。気を張った「よそいき」の自分、という感じです。笑われるのが怖いのにウケを狙うのは変だと思われるかもしれませんが、なんというか、「笑わせている」間は「あざ笑われない、攻撃されない」ので、安心できるのです。そのうち「よそいき」で他人と接するのが普通になりました。学生時代は周りからのウケも良く、(男子のみに)人気の三枚目として過ごせていました。内心はずっと自分が嫌いなままでしたが。

しかし社会人になり、責任が発生したり、接する相手の幅が増えると、「よそいき」が維持できなくなることが増えました。例えば迷惑させたと感じたり、少しでも敵意を向けられると、申し訳なさから焦って挙動不審になってしまいます。明るく振舞うどころではなくなって、怯えながら何回も謝罪する、という風にまでなってしまうのです。調子よくコミュニケーションが取れた時でも、面白がられて嬉しい半面、いずれメッキが剥がれ、自分の根暗な本性に失望されるのではないか、と考え、いつも心中穏やかではありません。

そして現在、人生に躓いています。
職場でミスが多く、オフィス中に見られながら謝罪する度に顔から火が出るような思いをしました。素の自分を職場中に知られている、と考えると、皆が自分をあざ笑っており、根暗なくせに無理に明るいフリをして恥ずかしい奴、と思われたはずと考え、挨拶すらうまくできなくなっていきました。

憧れていた業界でしたが結局2年で辞めてしまいました。特に虐められたりしておらず、自滅した格好で情けないです。現在は最低限のアルバイトで生活費を稼ぎ、鬱々と悩んでいます。そんな生活で2年が過ぎました。

こんな調子ですから女性と付き合った事はありません。素の自分を見せるのが怖いので、自分からアピールすることができないのです。(何もせずとも視界に入れてもらえるようなスペックではありません。。)たまに寂しくなって努力しようとしても、どうせ誰も俺など要らないだろう、と思い気持ちが萎えてしまいます。

できれば人生の中で面白くあれる時間を増やし、社会に参加して楽しく生きていきたいのですが、他人の顔色を伺ってダメージを受ける事と、ダメージを受けた結果素の自分が晒される恐怖について、八方塞がりのように感じています。

余裕を失わず、明るく面白い自分を維持するコツなどありませんでしょうか。この歳の悩みとしては幼稚かもしれませんが、何かアドバイスを頂けると助かります。どうかよろしくお願いします。

読んでいただきありがとうございます。長い自分語りで本当に恥ずかしいですが、誰かに自分のことを知ってもらえるのは少し救いです。

校長の回答

弱ってるときに無理な性格をかぶせない

挿絵すごく悩んでいる人にこういうことを言うのは良くないかもしれないが、ピエロを演じてきて辛くなったとはいえ、それでネガティブさをずっと覆うことができていたなんて本当にすごいことだと思う。誰にでもできることではないし、そういう明るいところとか面白いところって、偽物ではないんだよな。

そもそも、誰しもが、たまねぎみたいな構造だ。皮をむけば本物の顔が登場するかと思いきや、人には何枚も皮があって、どれが皮でどれが中身かもわかりゃしないんだよな。そんなにしっかりと板についてきた皮は、もはや中身みたいなものだと思う。

校長は、君がネガティブだと感じていることや劣等感が強いと感じていることを否定するつもりはないけど、それが「本性」であるかのように思ってしまっているんじゃないかなとも思うんだよな。明るくて面白い部分が偽物の仮面で、根暗な自分が本物だと。でも、心がやられているときは、自分の負の側面に過剰にスポットが当たってしまうもので、自分が持っていたポジティブな部分が偽物のように思えてくるんだよな。本当はどちらも自分なのに。

「この歳の悩みとしては幼稚かもしれませんが」

こういう一言に人柄が出るよな。そんな幼稚な話ではなく何歳でも悩むようなことだけども、君はやっぱり自分にいつもナイフを向けているし、人生の様々な揺れで、そのナイフは頻繁に自分に刺さるんだろうなと思った。君を刺す人もいようが、刺すつもりのない人との接触でも、きっとたくさんダメージを受けてきたんだろうなと。

「余裕を失わず、明るく面白い自分を維持するコツなどありませんでしょうか」

そんなに疲れるなら無理しなくても、と言いたくもなるが。あえて正面から回答すると、先に言ったように、会社のこととかいろいろ上手くいかなくて、自分がこういう人間なんだと思い込まされてしまっていると思う。けど実際のところは、いろいろある顔のうちのネガティブな部分にスポットが当たってしまっているだけで、今すごく自分を信じることができていないと思うんだよな。憧れた業界に入れて2年は勤められたし、いまバイトしているということはおそらくある程度は健康でもあって、君ってそんなにまずい人間でまずい状態なのかと。そんなことないと思うぞ。今ノックアウトされているだけ。

でも、気にすんな気にすんな、周りは思ったほど君のこととか本性がどうこうって気にしてないぞ、と言ったって簡単にはいかないよな(周りがさほど気にしていないことを知るのも大事ではあるが)。なんだかつらいのを軽視しているみたいだし。校長は君がそんなにまずい状態だと思わないけど、落ち込んだときに、すごく落ち込むことも大事なんだよな。怖いな、自分弱いな、つらいな、と。余裕を持って明るくいなくちゃとかぶせるばかりでなく、自分の中にある心をまるごと認めないと、そして沈まないと、プールの底を蹴れないんだよな。

すごく弱って、沈みきったら、やれることをやろう。やれることはみんなやったほうがいいが、少しずつでいい。できるなら様々な力をつけること、何か仕事に戻っていくなどの予定があるならあれこれと覚悟すること(人にどう思われているかは気にしない、気にするけど痛みながら進む)、弱くても生き抜けると信じること、メッキと本性という捉え方をやめること、明るい自分は自分の一部でもあるがやりたくないときはやらないこと、でもみんな適当にヘラつきながら面倒な場を回避していることも知ること、そして無駄に怖い場所にいかず人柄が「まし」っぽい場を探すことだ。

パワーや覚悟や逃げや避けなど、使えるものは全部使って、生き抜いていかないと。校長なんか面倒なことからずっと逃げて、苦手な方向を避けて避けて、できることをやって伸ばして生きてるんだから。強くなりつつ程よく逃げるのもセットで考えるんだ。

人生が少し上手く回ってきたら、明るい部分も自分なんだって信じられるようになるから。逆に、弱ってるときに、明るく面白い自分でいなきゃっていうのは違うんじゃないかなと思うぞ。

このまま終わるなよ。絶対に立て直せるから。

少しでも君が前を向けますように。
この挫折も栄養になって、未来の君が納得か幸せを掴みますように。