タイトル「自罰と他罰」
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挿絵【事例】

とあるカップルの彼氏は、ものをよく考えずにすぐ文句を言う彼女の性格に、最近よくイライラしていた。例えば会社帰りに彼女に頼まれたお菓子を買って帰るはずだったのにそれを買わなかったときには、「は?なんで?頼んだじゃん」と攻撃的に言われたのだが、そのお菓子は売り切れだったし、コンビニからその旨を電話したときには彼女が電話に出なかったのである。

そういったことはよくあるし、彼氏は「なんでいきなり文句を言うんだろう」と思うのである。自分だったらまず「何かあった?」と理由を聞くし、そもそもほとんど人を責めないからであった。
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play_arrow 彼女の性格の問題ではないと言える play_arrow 彼氏と彼女はやはり性格的にだいぶ違うと言える play_arrow 彼女はかなりネガティブだと予想される

【校長の解説】

挿絵例えば誰かから責められると、わりとすぐに人のせいにしたり、言い逃れをしようとしたり、逆に攻撃しようとする性格の人がいるだろう。それとは対照的に、言葉をなくし、落ち込み、自分が悪いんじゃないかと考えたりする人もいるだろう。これらは「他罰傾向(すぐに他の人のせいにしたり他の人を責める傾向)」と「自罰傾向(まず自分のせいではと考えたり自己責任を背負いやすい傾向)」という、大雑把に二種類の性格的傾向で捉えることができるものである。

問題文の彼女は「他罰」の傾向があった。彼氏がお菓子を買って帰らなかったという事実で、すぐに被害者の気持ちになり、深く考えることなく責めてしまうのである。彼氏は逆に、そういうことがあったら「何か自分に非があったろうか」「責める前に聞いてみよう」などという自分の中でのワンクッションがあり、それから彼女に聞くだろう。彼氏は「自罰」でありかなりストレスが溜まる性格だが、自分以外の人にあまり迷惑はかけない。ただし何を考えているかは分かりづらい。

「他罰」というのは自我(※今日は説明しない)が弱いことが多く、あまり自分で抱え込みたくなかったり考えたくないという人が多い。自分の中であれこれ考えるとストレスになるし、もっとノリとか勢いとか雰囲気で生きていきたいからである。「他罰」の人はネガティブなのかというとそういうことでもない。基本はポジティブで余裕があっても、嫌なことがあったときに、まず他の人を責めたり他の何かのせいにしたりという出方をするのなら、それは他罰傾向である。しかしネガティブよりポジティブであったほうが、その回数は少ないだろう。

「自罰」というのは自我が強いことが多く、ノリや感情まかせではなく、自分でよく考えたり自己責任を負いやすい人が多い。自罰傾向のある人は人を責めないのかというとそうではなく、不満があるときによく考えて完全に自分が悪くないと分かったり、充分な論拠を揃えて自分が責められないことを確認してから責めるから、自罰傾向のある人が誰かの文句を言うときには反論の隙がないことが多い。基本的には「他罰」より人を責める量は減るだろうし、ポジティブならなおさら減るだろう。

自罰のほうが良い人に思えるが、自分で溜め込んで爆発するなどという良くない傾向もあるし、外から見て分かりづらいというのは大きな欠点である。そんなに溜め込んで爆発するのならもっと早いうちに言ってほしかった、などと言われることも多い。自罰なのに結局すぐに余裕をなくして人を責めてしまうぐらいなら他罰と大差ないし、他罰で垂れ流す人よりも「迷惑をかけない」という姿勢(心意気)だけ切り取れば自罰のほうが良いような感じもするが、そこは一長一短だと言えるだろう。

今日は教訓などもないが、他罰と自罰の傾向というのを覚えておいてほしい。