タイトル「理想的なかかわり方」
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挿絵【事例】

とあるカップルの彼女は、彼氏がこちらの顔色ばかり窺ってくることにイライラしていた。最近は「明日どうしたい?」「何時に待ち合わせようか?」と言われるたびに、「おめーが決めろ!」と言いたくなるのである。

彼女が前に付き合っていた元彼は、超「自分勝手」で、よく何の相談もせずに週末の予定を入れていて「え?会うの?じゃ横浜いくから来たら?」というようなことが多かった。それを思い出すと、どっちも嫌だと思うし、「ちょうどいい男はおらんのか!」と腹立たしい気持ちになるのであった。
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play_arrow 元彼のほうが良い男だったと言える play_arrow 元彼は彼女に無関心であったと言える play_arrow 今の彼氏は柔軟で器が大きいと言える

【校長の解説】

挿絵元彼は彼女に対してリードするというよりも「え?会うの?じゃ横浜いくから来たら?」という感じだから、あまり彼女のことを考えていないと言えるだろう。自分のやり方に彼女を無理矢理押し込めるというより、彼女のことを気にしておらず、勝手に動いているのである。

今の彼氏は、彼女の顔色を窺いすぎて、彼女にイライラされている。決して彼女思いというわけではなく、いやそれもあるのかもしれないが、主に自分で決めるということができないから彼女の顔色を窺う。自分で決めることができないのは、決めたことに責任を負えないとか、自分から提案して反対されたりすると傷つくなど、彼氏が彼女に対して怖がりだからである。

元彼は彼女に無関心で勝手に物事を進めてしまうのだが、他にも「勝手に進めてしまう」という人はいる。例えばコミュニケーションが苦手だったり、意見を聞き入れて自分とは違う考えを言われて傷つくのが嫌だったり、相談をして「そんなことも決められないのか」と思われるのが嫌だったり、自分のやり方以外のことをやりたくないとかできないなどという事情があると、「勝手に進めてしまう」に流れることがある。なんでもかんでも上司に聞かないと動けない部下もいれば、上司と接するのが怖くて勝手に判断して動いてしまう部下もいるだろう。「勝手に進める」ような人が、いつも強い意志や確信を持っているわけではないし、大胆で器が大きいとも言い切れない。

例えばデザイナーとか、システムエンジニアとか、美容師などが、顧客の要望を聞く。そこで客が素人丸出しの要望を言ってきたとして(素人だから素人丸出しで良い)、なんでも「まぁ客がそう言うんだからその通りにやればいいや」というのは、プロの仕事ではないだろう。かといって客の要望を全否定したり、なんだかんだと「こうやるのが正解なんです。素人は黙っていてください」と押し込めて、結局プロ側からの強い意見を通し、客のやりたかったことと全然違う結果になってしまうのもまた、プロの仕事ではないだろう。意見や要望を聞き入れ、自分の経験や知識や意見を加味して最適と思える提案をし、異論があれば受け入れたり交渉したりして、双方納得の結論を出していく。その過程は、単に顔色を窺うとか、勝手に物事を進めるよりも、はるかに難しくレベルが高いことである。そしてそれは理想的である。

これは、デートでどこにいくかとか、食事は何にするか、などという小さい話に限らず、恋愛にどう関わっていくかという根本問題なのである。もちろん問題文の彼女も、彼氏に求めるばかりではなく、自分も理想的であろうとしたほうが良いだろう。お互いに恋愛に積極的に関わり、価値観を押し付けるでもなく、相手任せにするでもなく、意見や気持ちを出し、相手のそれを真摯に聞き入れ、統合して自分なりの提案をし、お互いの納得を得ようとする。そういう関わり方を目指したほうが良いだろう。

単なる御用聞きや言いなり、独善的な行動、暴走、自分勝手、は簡単である。よりレベルの高い、理想的な関わり方を目指していってほしい。